ZOOMのMTR R12のレビュー

みなさんこんにちわ。福山楽器センターの猶崎です。

TASCAMのMTR DP008EXといったDPシリーズが廃盤となる等、MTRには厳しい市況の中、ZOOMから新しいMTR「R12」が発売となりました。

ZOOM R12

今回、初回入荷分が手に入りましたので、店頭機にてレビューをしていきます。

この記事を書いた人

猶崎 恵太
猶崎 恵太通販事業部 デジタル・PA営業担当
高校からバンドを初めてギターエフェクターを探すうちに機材沼にはまる。その後、作陽音楽短期大学で音楽制作・レコーディングを学び、福山楽器センターへ入社。
映像制作も好きで映像制作・ライブ配信代行も。経験を反映した商品提案、商品説明を心がけています。
WEB担当のため店舗には常駐しておりません。店舗での機材相談をご希望の際は来店予約をお願いいたします。

ZOOM R12の概要

入力端子は2CHとシンプルかつコンパクトなMTRです。

ファンタム電源の供給も可能で、コンデンサーマイクが使用出来ます。

INPUT1はエレキギターの入力にも対応する「Hi-Z」スイッチを搭載。

入力2系統のコンパクトなMTRは、各楽器を個別に録音をする用途に適しています。感覚的には重ね録りのような感じ。

厳密には、重ね録りとは異なりますが。。。

重ね録りの場合は、音源に重ねる形で記録をすることになります。重ね録りしてしまうと、2回前に録った音を修正したい…という時にはどうすることもできません。

マルチトラックレコーディングの場合は、楽曲ごとに録音の領域(トラック)を分けることができるので、後からの録り直しが容易に行えるようになります。

R12は録音の領域(トラック)が8トラックありますので、8つの楽器を別々の領域に記録できるというもの。

8トラックという数は、バンド物に最適な必要最小限の構成です。

どんな人にお勧め?

持ち運びをする方や、アイディアスケッチ的に録音したいという方にお勧めです。

ギターエフェクターも内蔵しているので、練習にもピッタリですね。

メトロノームの音に合わせて練習をしていて、少し飽きてきた、そんな時にR12でリズムトラックを作ってしまえば、練習にも彩りが加わります。

電池駆動にも対応しているので、いつでもどこでも使えます。

USB Cバスパワーでの駆動も可能ですが、使いたいときにさっと取り出して、ギターケーブルを繋いで使えるのは良いですね。

音源とシーケンス機能も内蔵

MTRは基本的に録音のための機材ですが、R12はMIDIトラックを作ることができ、音源も内蔵しているので、MTRで打ち込みをすることも。

音源は、生っぽさをイメージした音源とは少し違う質感。かといって、QY100のように電子っぽいかというとそうでも無い感じ。楽器っぽい音ではあります。

生っぽさを追求される方は、データーをPCに取り込んで、DAWでお好みのMIDI音源をあててあげるのが良さそうです。

内蔵音源は、RolandとかKORGといったシンセメーカーと共同開発してくれたら良いのにな~~と思います。

もっと楽器メーカー同士で技術提供をしあっても良いのに。

USB MIDIキーボードが接続できる

USB MIDIキーボードが接続できるとのこと。

店頭にM-AudioのKeystation 61mk2があったので繋いでみました。ケーブルがUSB Type Aしかなかったので、Type CからType Aに変換して接続。

そのままではMIDIキーボードの電源が入らなかったので、MIDIキーボードにACアダプターを接続。

R12のトラック設定をMIDIトラックにして、録音待機モードにすると、MIDIキーボードが使えるようになりました!!

おそらく相性問題はあると思いますが、M-AudioのKeystation 61mk2は使えました。

同期演奏にも

個人的に一番関心したのが、ここ。クリックの出力設定。

スイッチ1つで、クリックの音をヘッドフォンだけに出力できるのは素晴らしいです。

今まで同期をする時には、Lchにクリック、Rchにモノラルミックスした曲を書き出していましたが、R12なら、ステレオ出力をしながら、クリック音をヘッドフォンだけに出力できます。

音の出だしが全く前触れなく出るような楽曲で、同期をする場合に便利。

予めカウントを入れておいて、最初の音が出る前に予備カウントがヘッドフォンに聞こえることで、タイミングがバッチリ合います!

生バンドの方も、このご時世では同期用のデーターを作っておくと安心。

前日にドラマーが体調不良で…となった時も、前もってドラムの打ち込みをしておけば、ライブはできます!

iPhoneで打ち込みもできますが、クラウドに楽曲を入れていて通信が悪くなって再生できなかったり、充電が切れたり、着信があったり、電話機ならではのトラブルも。

MTRは専用機なので音楽再生の信頼性は高いです!

TASCAM DP-03SDとの比較

TASCAMのMTRとZOOMのMTRは方向性が結構違います。

ZOOMは機能が盛りだくさん。さらにR12はタッチパネルを搭載しており、物理スイッチがとても少なくなっています。ZOOMはギターエフェクターを長年手がけていますので、エフェクトの数も多いです。

TASCAMのMTRは物理スイッチを配置して、アナログライクに録音ができるのが特長。機能もシンプルに、使いやすさを追求しています。

今となってはTASCAM DP-03SDが入手困難となり、代わりにZOOMのMTRをお探しの方もおられると思いますが、キャラクターが違うので注意。

総括

スマホで同期出力をしている方には間違いなくお勧めの逸品です。

ギタリストの方にも、練習用の機材として、また、メンバー不在時のパートナーとして活躍するのでお勧め。

楽曲制作をされる方は、ハードウェア派の方で、タッチパネルの操作がOKな方にお勧め。

MTRは電源を入れて、取説のステップ通りに勧めれば録音が始められるのが良いですね。個人的には音源が物足りないですが、DAWに取り込んでしまえばOK。アイディアスケッチには早さ・楽さが重要なので、音源が少ない方が研ぎ澄まされて良いとも捉えられます。

ZOOM R12
FM音源内蔵で打ち込みもできるMTR。タッチパネル搭載のモダンな仕様。

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