単一指向性・XY方式、USBオーディオインターフェイス対応という共通点の多いTASCAM DR-07Xと比べてみました。
サイズ感
ZOOM H1n:50 mm (W) × 137.5 mm (D) × 32 mm (H)
TASCAM DR-07X: 68 mm (W) × 158mm (D) × 26 mm (H)
ZOOMのH1nは特に細身でボディ部分は50mmよりもさらに細くなっています。TASCAMのDR-07Xは比べると少しごつい印象を受けます。
TASCAMのDR-07Xはボタンの押しやすさや液晶の大きさを確保するために、あえてこのサイズ感にしているのではないかと思います。これは好みが分かれるポイントですね。
機能
ZOOM H1n:ローカット・フィルター、リミッター、サウンドマーカー機能、テストトーン出力機能、サウンドエフェクト(SPEECH/Vo CUT/BASS/ROCK)※再生音に対して、再生スピード可変機能、A-Bリピート、オートレベル、マーカー、オートREC、プリREC、セルフタイマーREC、オーバーダビング機能
TASCAM DR-07X:ローカット・フィルター、リミッター(リミッタ/自動ピーク低減)、トーン出力(サウンドマーカー機能)、サウンドエフェクト(リバーブ)※録音・再生どちらにも設定可能、再生スピード可変機能、IN-OUTリピート、オートレベル、マーク機能、自動録音、トラックインクリメント(録音中にファイルを切り分ける機能)、プリREC、
セルフタイマー、オーバーダビング機能、文字起こしモード(操作ボタンの変更機能)、再生EQ、出力音量補正機能、分割機能、プレイリスト機能、オーバーライト録音機能(パンチイン機能)、チューナー機能、録音サイズ指定機能(64M 、128M 、256M、512M 、1G 、2G)
書き出してみるとDR-07Xのほうが多機能ということが分かります。しかしながら、H1nも録音に必要な基本的な機能は押さえており、シンプルに録音・再生をしたいというユーザー様には十分な機能は備わっているかと存じます。
H1nに無いDR-07Xの特徴的な機能としては、オーバーライト機能があります。元のデータを残して重ね録りするオーバーダビングとは異なり、これは一度録った音声データの一部分だけを差し替えて上書き録音する機能です。例えばナレーション収録などで言い間違いがあった箇所が一部分だけあったとします。DR-07Xではその一部分だけを再録音することで、音声の差し替えをすることができます。エフェクト機能にも違いがあり、ZOOM H1nでは再生音に対してエフェクトが掛かるのに対し、DR-07Xは録音・再生のどちらにもエフェクトを掛けることができます。
マイク
ZOOM H1n:X-Y方式固定単一指向性 最大音圧レベル120dB SPL
TASCAM DR-07X:X-Y・AB方式切り替え可能 単一指向性 最大音圧レベル125dB SPL
単一XYマイクはマイクが向いている方向の音を強く拾い音像定位がはっきるするマイク特性です。
TASCAMのDR-07Xはマイク部分を可動させることにより、XY方式の他に指向角の拾いAB方式にて収録することができます。AB方式では左右に広がったステレオ感あふれる音を捉えることができます。
総評:
シンプルに録音・再生の機能を使いたい、なおかつコンパクトな物が好ましいという方にはH1nを、
パソコン無しでオーバーライトやファイルの分割、エフェクトを掛けたいという方にはDR-07Xをお勧め致します。
基本的な録音・再生がこれ以上無い位に簡単にできるのがH1nの特長です。機能性はDR-07Xには敵いませんが、機能を厳選することで操作もシンプルにできるようになっています。
一方のDR-07XはH1nに無い編集機能を複数盛り込んでおり、パソコン無しでも音声にエフェクト(エコー)を掛けたり、録音ファイルを切り分けたり、上書き録音をしたりすることができます。これら機能を必要とされる方にはH1nでは対応できない為、DR-07Xをお勧め致します。 |